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賑やかな通り…を避け、人通りの少ない道を歩いて行く。
その間、ノーアは賑やかな大通りを興味深く見ていた。
『交渉者』
頭上で聞こえているかのような音。
『本当に連れて行くのか?』
フランクにしか聞こえない声に目だけを向け、弱ったように笑う。
さながら、しょうがないだろと、言うように。
『正直、『遣う者』としともまだ未熟。不安はないか?』
風の聖霊の言葉にフランクは斜め後ろを振り返る。
ノーアは様々な人の姿に釘付けだった。
その視線を風の聖霊に向ける。視線が合うとニヤリと笑った。
『なるようになるだろ』
フランクの能天気な言葉は、口を開く事なく風の聖霊と同じように放たれた。
『お前のそういうところ、嫌いではない』
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