第1章

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俺の名前は∞。 高校時代は野球部に所属していた。 高3の夏の予選に負けて俺たちの野球生活は終わった。 公式戦に1試合も出場したことがないまま。 引退して受験シーズンに突入した。 みんなは大学に向けて受験しているが俺にはそんな学力もないし、卒業ギリギリまで受験勉強で追い込むなんてもう精神的に耐えられなかった。 推薦で大学にいける内申点も全然ない。むしろテストで毎回のように欠点を取り、いつもクラスの最下位争いをしてるくらいですから…。とりあえず専門学校を目指すことにした。 さて、次は何の専門学校を目指すかだ。 ふと思いついたのが何故か整骨院だった。実はマッサージには多少の自信があった 。そのまま担任の先生に夏休みの間に柔道征服(整骨院の専門学校)の資料を調べてもらうように頼んでこっちはひたすら勉強。 そして夏休みを迎えた。 夏休みに入って受験勉強の日々が続いて笑顔を忘れてしまったときもあった。 さらにほとんどの友達は塾まで通っている。 みんなの気迫には勝てない。 凄い。 俺のオカンは地元の市役所でバイトしている。 ある日、そこで働いている○畑さんに市役所の草野球チームの練習に誘われた。 もちろん参加させてもらった。 当日、受験の存在を忘れて野球を楽しませてもらった。 市役所の人たちともすぐに打ち解けることができた。すると○畑さんから驚きの一言が。 「∞君。良かったら9月の市役所の採用試験受けへんか?給料も安定してるし、この野球チームにも入れるで。」 悪くない。 全然悪くない。 試験の日も早いし野球もできる。 この日に俺の進路は変わってしまった。 ○畑さんから公務員試験の参考書をもらって新たに試験勉強が始まった。 その時にはすでに試験の日まで2ヵ月を切っていた。 時間が全然ない。 さらに大きな誤算があった。 公務員試験の筆記問題はほぼ全ての教科(政治・経済、倫理、日本史、世界史、国語、数学、英語、生物、化学、物理、地学)から計50問全て5択問題となっている。 社会系の問題は約40%を占める。 困ったことに俺はこの年、社会系の教科を全然とっていなかった。 問題を解いていても理解できるはずがない。 始めから教えてもらう時間もない。 結局出した結論は『社会系の問題は全部勘でいきましょう。』
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