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しばらくの沈黙が流れる。
変に意識し過ぎるせいか、緊張と不安の為か。
その沈黙が、二人にとって、何故か心地の良いものであった。
「……あ、あのさ」
沈黙を破ったのは、やはり彼からであった。少し声が上擦っている。
「俺ってさ、『告白』とかされたの……初めてなんだよね……」
「……うん」
「だからさ……どう答えたら良いか、分からないからさ、シンプルに言うよ」
「うん」
二人の間に、緊張が走る。彼女は目を瞑り、今にも逃げ出したい気持ちを抑えていた。
「……俺と、付き合って下さい」
たった一つの『告白』。
それだけの話にも、ドラマは起こる。
今日もまた、何処かで、一つのドラマが起こっているかもしれない。
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