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「……まぁ、相談出来る事ならな」
「そいつはどういう意味だ? ……まさか、恋の悩みとかかっ?!」
図星をつかれて、彼はギョッとする。
「まさか図星か! 告白されたとかか? この裏切り者めぇ!」
「……何を言う。てか、お前は何処まで知っているんだよ」
「勘……だが……?」
言葉とは裏腹に、友人の表情はニヤニヤしている。と言う事は、ある程度事情は知っている様子である。
「……誰から聞いた?」
「何の事だい?」
「いやいや、表情で隠せて無いから!」
「……くっ! 知られてしまったか! ならばお前を消さねばならぬ!」
「……お前は一体何が言いたいんだ?」
「フハハハハ! お前が知る必要は無いさ!」
「末永さんだな! 絶対末永さんが裏にいるな!」
「フハハハハ!」
友人はそうワザとらしく笑いながら、廊下を駆けて行く。
「なっ! 待てコラ!」
彼はそんな友人を、追いかける為に走り出した。
友人とふざけたせいか、彼の心にもやもやと存在していた何かは、少し軽くなっていたのを感じ、彼は友人に、心の中で感謝する。
友人にコブラツイスト擬を掛けながら。
「痛ててててててて!!!! マジ痛いって!! ちょっ! かんべ……あぁぁぁぁぁぁっ!!」
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