一話 告白~愛と恋と罪~

7/7
前へ
/15ページ
次へ
 しばらくの沈黙が流れる。  変に意識し過ぎるせいか、緊張と不安の為か。  その沈黙が、二人にとって、何故か心地の良いものであった。 「……あ、あのさ」  沈黙を破ったのは、やはり彼からであった。少し声が上擦っている。 「俺ってさ、『告白』とかされたの……初めてなんだよね……」 「……うん」 「だからさ……どう答えたら良いか、分からないからさ、シンプルに言うよ」 「うん」  二人の間に、緊張が走る。彼女は目を瞑り、今にも逃げ出したい気持ちを抑えていた。 「……俺と、付き合って下さい」  たった一つの『告白』。  それだけの話にも、ドラマは起こる。  今日もまた、何処かで、一つのドラマが起こっているかもしれない。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

32人が本棚に入れています
本棚に追加