一話 告白~秘めた想い~

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 そう、彼女の心の中には二つ、期待と不安があった。  『告白をオッケーしてくれたら嬉しい』と言う事と、『もし断られたらどうしよう』と言う二つの考えであった。 「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~~!」  心が、胸が締まる、苦しいような感覚を覚えて、彼女は落ち着かなかった。  と、彼女の思考を絶つように、携帯電話の着信メロディが鳴る。  この着信メロディで、彼女は自分の携帯電話に電話してきた人物を割り出す。勿論、彼女の知っている人物であった。 「もしもし、美雪?」 「そうだよ、優。今何処?」 「自分の部屋だよ?」 「早っ! その調子だと、富永くんにちゃんと『告白』したのかしら?」 「………………うん」  そう聞かれて、彼女の声は小さくなってしまう。  何故か急に気恥ずかしくなったのだ。 「え? 良く聞こえ無かったよ?」 「し、したわよ! 『告白』……」  先ほどの自分の様子を思い出し、彼女の頬は再び赤く染まる。 「ほっ、良かったわ。急に物凄いスピードで帰っちゃうんだもの。心配したわよ」 「だ、だって、仕方ないじゃない……。あんなにその……」 「うんうん。分かるわ、その気持ち。アタシも告白したときは緊張したわ」
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