一話 告白~秘めた想い~

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 しかし、それでその、胸の高鳴りは抑えられそうになかった。  彼は、勉強机に座り、手紙を机の上に置く。 「……俺がまさか、『告白』されるなんて……。俺なんかの何処が良いんだろう……?」  彼はそう言って、ため息をつく。そして、手紙を再び手に取り、普段とは違い、丁寧に封を開ける。 「……まさかドッキリでした、みたいなオチだったりして……」  彼は自嘲ぎみに笑いながら、恐る恐る、手紙に目を通した。  其処には、彼女の彼への想いが、手書きで綴られていた。  出来るだけ丁寧な字にしようと努力したのか、幾つかに何度も書き直した跡がある。  そして、文末は少し、ほんの少し文字が震えていた。  その文の一文一文に、彼への想いが込められており、彼は違った意味での衝撃を受ける。  携帯電話が普及したこの世の中。  手紙と言うのは、非常にアナログ式な方法である。  しかし、デジタルなメールなどとは違い、一字一句に想いが込められる。  それが手紙の『告白』。  それがラブレターであった。  彼は内容を読み終わり、ため息をひとつつく。 「……はぁ。どうしよう。明日から、きっとまともに重富さんの顔を見れないぞ……。変に意識しちゃって……」
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