わくわく公園 6日目

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 ガラスケースいっぱいに詰め込んだムカデのようなそれは、しばらく公園の外へ出ようともがいていたけれど、やがて諦めたのかじわじわと量を減らし、消えてしまった。 「田中さん!」 「美優ちゃん」  呆然と公園の入口を見ていた私の後ろから声がした。 「…え?」  振り返っても、誰もいない。 「こっちだよ、逆逆」  言われて、もう一度振り返る。  …田中さんはどこにもいない。
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