わくわく公園 跡地

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   学校から帰るには少し遠回りだけど、私はいつもこの何もない空き地の前を通って帰る。  あの夏にうるさいくらい鳴いていた蝉はもう一匹残らず死んでしまって、今はコオロギが夜中までうるさい。  衣替えをして長袖に手を通しても、私はまだ「おはよう」を言えないでいる。
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