・淡い記憶

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――私たちが出会ったのは、今から16年前のことだった。 私がこの町に引っ越して来たとき、一番仲良くしてくれたのは翔。 あなただったよ。 「高宮 翔(タカミヤ ショウ)!」 そう言ってぶっきらぼうに出した手を軽く握った。 ちょうど私の隣の家に同年代の男の子がいて、人見知りだった私でもすぐに打ち解けた。 高宮 翔 自分の名前よりも先に書けるようになった漢字が翔だった。 明るくて活発で、でも優しくて。 その時から私の一番大好きなヒトは翔だったよ。
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