先輩

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「靴履いた~?」 先輩が一年の下駄箱の横から 顔を出してきた。 「・・・はい」 「じゃあ行こっか♪」 先輩は傘立てから 自分の傘を取り 広げる。 「早く!!」 先輩が俺を急かす。 俺は傘を取り 先輩の横で傘を広げた。 「よしっ!行こう!!」 「・・・はい」 こんな事 起こらないと思ってた。 先輩と帰れるなんて。 俺は内心浮かれていた。 でも、先輩には 平然を装った。 「甃、家どこ? チャリ?電車?」 「・・・こっから20分くらいです そしてチャリです」 「私さ、電車なんだぁ・・・ にけつさせて?」 「・・・・何キロっすか?」 「乙女にその質問は タブーだぞ!!」 「・・・乙女? 何処にいるんすか?」 「ここ!!」 「どこ?」 俺と先輩は 体育館での事が嘘のように ジャレあった。 先輩と 普通に話せて良かったと 思った。 あのまま だったら、多分 明日はきつい状況だっただろう。 先輩・・・ ありがとう。 _
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