3人が本棚に入れています
本棚に追加
俊介には10億以上の蓄えがあった。このお金のことは絵理も知らない。もちろん俊介は会社をたたんだ後も、絵理と生活するつもりでいたし、いずれそのお金を元手に、本当に自分自身がやりたいことをしたかった。しばらく、というか一生働かなくても食べていけるだけの蓄えだ。彼が20の頃思っていた、使ってもなくならないだけのお金を手に入れた。
ところが、仕事が減っていくのと平行し、絵理は不機嫌になっていった。そして、外出も増えた。蓄えのことを絵理に話そうと何度も思った。そのたびに疑念が湧き上がるのだ。彼女が好きなのは俺が稼ぎだすお金のみではないのかと。そして興信所を使って調べた。良心の呵責はなかった。
最初のコメントを投稿しよう!