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彼女には両親がいた。石川の金沢で細々と暮らしている。彼は一人でこの夫婦に会いに行った。娘を思わない親はないはずだ。絵理の消息を聞き、顔の変わった娘の写真をみながら、泣いていた。何度も何度も、俊介の手を握り、幸せにしてやってくれと頼んでくる。離婚しようと思う気持ちが萎えていく。
絵理と宮本は、俊介が結婚する前からの付き合いだ。宮本は億ションに住み、二人はきれることなく続いている。
絵理は、俊介の子か宮本の子かわからないが、2回おろしている。
俊介はその日、初めて無断外泊した。そして朝までのみ、10年ぶりに吐いた。
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