10人が本棚に入れています
本棚に追加
しばらく病室に沈黙が拡がった。
大きく深呼吸をしてから母の隣りへと腰掛けた。
「まっ…癌っていったって胃を取れば命は助かるんだし大丈夫でしょ。でもさぁ胃が無くても飯は食えるんやね。人間ってすげぇ」
「ん…」
母はうつむいたまま小さな声で頷いた。
「なに暗い顔してんの!さっさと病気を治して家に帰るよ!お母さんいないとお父さんなんにも出来ないんだから!」
「そうだよね…」
母は少しだけ笑って頷いた。
「じゃあ私はお父さんに電話して来るわ!驚くから癌の事はまだ内緒だね!」
1時間後、父が病院へと到着し、3人で医師の元へ呼ばれた。
最初のコメントを投稿しよう!