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次の日は明方に目が覚めた。というか殆ど眠れなかった。
さっきまでの泣き顔を洗い流し母の病院へと向かった。
母の検査はその日から始まっていた。
血液検査やCT検査、胃カメラ検査も行った。
私はその日から1日おきに片道1時間半かけて病院へ通った。
5時に仕事を終え、6時半に病室に着き、面会時間ギリギリの8時半までその日あった出来事を母に話した。
母は「そんなに毎日来なくていいから」と毎回言っていたが私と父は交替で病室へと足を運んだ。
母は検査で少し疲れた顔をしていたが、いつも私の話を楽しそうに聞いてくれていた。
母はいつも明るく私達家族の絆そのものだった。
私と父の関係をいつも心配していた。
でも私はそんな母さえも疎ましく思い、就職してからは殆ど連絡も取らず実家に帰る事すらしなかった。
1度あまりに心配した母が突然ひとりで私の部屋に泊まりに来た事があったが、私はそんな母を怒って追い返した事があった。もし今あの頃にタイムスリップ出来るのなら私はあの日の私を殴り倒しているに違いない。
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