蒼空想い

2/5
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ
君はこの空に何を願う? 僕は、みんなの記憶の中から消えたい… 「なぁ、なんでこんなに空が広く感じるんだ?」 僕の問いに 「今まで下ばっか向いてたからじゃね~の?」 と答える友人 「なるほど~」 無駄に感心する僕 そんな反応をみた友人は 「俺がお前に他己紹介をするとしたら間違なくこう紹介するだろうな。『空を毎日飽きずに眺めてる野島公平』って」 「それだったらこっちは『約束をすぐにすっぽかす事が得意な川田勇』でいくかな」 僕の言葉に彼・川田勇は 「そこまでひどくはねぇぞ!」 と反論する 「じゃ、なんで昨日カラオケ来なかった?」 と言うと 「昨日だっけか?来週かと思ってた」 ほら、すっとぼけた 彼は毎度誰との約束でもすっぽかす事が多い そのせいか付き合う女性とは長続きしない 「ケータイに電話したけど繋がらなかった」 「今このケータイ、通信機能なし」 「なんで?」 「料金滞納」 「払えよ!」 「金がねぇのと払うのが面倒い」 そういえば彼にはもう一つ欠点があった ケータイがしばしば使えなくなること 彼はよく「金がない」とは言うが実際は持っており払っていないだけである ただ契約時に銀行からの自動引き落としにしていなかった そのせいで払う事がめんどくさくなり滞納する 結果、通信不可 「毎度毎度よくそこまで滞納できるな。そのうちブラックリストにのるぞ」 「大丈夫だ、適度に払ってるから」 「ならいいけど…」 彼の携帯がなる 「悪い、帰るわ!」 そう言うと勇は走って行ってしまった 「えっ!料金滞納してんじゃ…」 しかしもう彼はいなかった 1人残された僕は空を眺め始める 他人と関わる事を苦手とする僕は空との関わる事が増えていった 人間みたいに人を外見で判断したり裏切ったりはしないから けど都会の空は好きになれない 見上げても必ずと言っていいほど高層建築物が目に入る 空が狭く感じるのだ だが結局のところ、空はどこから見ようが変わる事はない ような気分の問題なのだが…
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!