【ゆうすけ#1】

4/32
前へ
/267ページ
次へ
うぅぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおお!!!!!! 大きなサッカースタジアムに大勢の人間の鼓膜が破れそうになるほどの歓声が響きわたる 「いたいよ、痛いよ…..」 一人の四十歳代程の女性が苦しみながら必死にもがく。 その女性の両手と左足には太く長い槍が刺さっていた。 そして、手足には金属の金具で頑丈に固定され仰向けに寝かされている。 カチャン、カチャン、 と無機質の金属が交わる音がする。 ヒュー っと風をきるように何かが真っ直ぐ落ちていく。 グチャッ 肉を潰す音がする。 「ぎゃゃゃゃゃぁぁぁぁああああああ」 布を引き裂くような女性の叫び声が響く。 女性の体の何メートルか上には槍が何本か吊るされており、今その中の一本が女性の右太ももにくい込んだ。 「おっねがい….たったすけて….りょうくん….」  嗚咽を吐きながら涙を流し言った。
/267ページ

最初のコメントを投稿しよう!

224人が本棚に入れています
本棚に追加