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少し前から降り出した雨がだんだんと激しくなってくる。
私は夜のホームで立ち尽くしていた。
天気予報を鵜呑みにしたのがいけなかった。折りたたみ傘くらい持っておけば良かった。
腕時計を見ると、ちょうど十時を指している。次の電車まで1時間近くある。
自販機でホットの缶コーヒーを買い、無人のホームの中央にあるベンチに座る。
プルを開け、コーヒーを一口飲むと、体に温かさが広がるのを感じた。
あと1時間、何をして時間を潰そうかと考えていると、
ホームに一人の中年の男が現れた。
会社員のようで、スーツの上にくたびれたコートを羽織っている。
彼はホームを見回し、私を見つけると笑顔で近づいてきた。
「となり、よろしいですか?」
私は少し面食らってしまったが、小さく頷いて了承した。
電車を待つ間、話でもしたかったのだろう。私も暇を持て余していたのだから、ちょうどいい。
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