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6 変化と決意
腕相撲大会の熱気もいつしか薄れていき、それにつれて空も暗くなっていった。
西の空にうっすらと夕日が残り、空はもう八割方夜闇が占めている。
しかし人の数は減ることなく、所狭しと立ち並んだ屋台は、雷属性の補助魔法を利用した照明器具によって、より一層明るくなっていた。
さて、ルイスを含めた男性陣は生徒会室の前で腕組みをして女性陣を待っていた。
その格好は昼間と相変わらずのアロハ姿で、ケインとセツナは下に着ていたアンダーシャツを脱ぎ、アロハ一枚になっていた。
「遅いですね」
ルイスが壁にもたれかかる。じんわりと全身を覆っていた背中がひんやりとした壁に当たって冷たかったのか、少し身震いした。
「ルイス、男なら女の子の遅刻ぐらい待てなきゃモテないぞ」
「別に俺はモテたいとか思って無いんで」
「時々俺はお前に思春期の男のあり方について教鞭を振るってやりたくなるな」
「その授業の単位は喜んで落とさせてもらいます」
ルイスとセツナのやりとりもどこか勢いが無い。それは二人ともいつも以上に疲れてしまったから。
片やキャラ崩壊よろしくイベントに遭遇しまくり、片や同年代の戦闘狂に昼間中追いかけ回されたのだ。
二人は揃って溜め息をついた。
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