1228人が本棚に入れています
本棚に追加
セツナは立ち上がると、腰につけていたポーチから一つの指輪を取り出した。
それを右手の中指にはめて詠唱。
「セツナ=リュウの名を鍵とし、その効力を有効とする。
すべてを取り巻く空間と共に、我等の姿、他の場所に転移せよ。“超空間転移”《チェンジングエリア》」
指輪が光り、空間がゆがむ。
足元に魔方陣が形成され、二人の姿はあるところに飛ばされた。
そこは森の中。
「今さっきの……二者間補助魔法ですよね?」
二者間補助魔法とは、魔導具に蓄積した魔法をその本人以外が使用することである。
それを行うためには二者の間で契約をかわす必要があり、その声の波長が鍵となるのだ。
補助魔法だけが持つ最上の技術である。
ちなみにこれを蓄積したのはフェンデルである。
「こんなところで一体何を……」
「俺と君とで狩りをする。ちなみに俺でも勝てるかどうか微妙な相手だ。
君の魔法の技術が勝負を左右するからね」
唖然とした顔を浮かべるも、アイナは腹をくくったのか力強くうなずいた。
最初のコメントを投稿しよう!