4 強くなるために

6/13
前へ
/458ページ
次へ
セツナは立ち上がると、腰につけていたポーチから一つの指輪を取り出した。 それを右手の中指にはめて詠唱。 「セツナ=リュウの名を鍵とし、その効力を有効とする。 すべてを取り巻く空間と共に、我等の姿、他の場所に転移せよ。“超空間転移”《チェンジングエリア》」 指輪が光り、空間がゆがむ。 足元に魔方陣が形成され、二人の姿はあるところに飛ばされた。 そこは森の中。 「今さっきの……二者間補助魔法ですよね?」 二者間補助魔法とは、魔導具に蓄積した魔法をその本人以外が使用することである。 それを行うためには二者の間で契約をかわす必要があり、その声の波長が鍵となるのだ。 補助魔法だけが持つ最上の技術である。 ちなみにこれを蓄積したのはフェンデルである。 「こんなところで一体何を……」 「俺と君とで狩りをする。ちなみに俺でも勝てるかどうか微妙な相手だ。 君の魔法の技術が勝負を左右するからね」 唖然とした顔を浮かべるも、アイナは腹をくくったのか力強くうなずいた。
/458ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1228人が本棚に入れています
本棚に追加