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今度はちょっとした広場にて。
「私も面倒なこと引き受けちゃったわね……」
三人の女子がそこにいた。
一人は三年生であるヴァネッサ。栗色の髪をし、胸元には三年生を表す緑色のリボンがついている。
サラがいわゆるスレンダータイプなのに対して、ヴァネッサはいわゆるグラマータイプ。
それゆえか否かファンクラブまで存在するほどの人気を誇る女子生徒である。
あと二人は一年生。一人はエリス。紫のロングヘアーが風になびく。
胸元には赤のリボン。それが一年生である証でもある。
そして最後にリエム。これまたロングヘアーなのだが、色はエメラルドグリーン。
何より特徴的なのはその耳。先端がするどくなっている。
それは彼女がエルフ族と人類のハーフ、いわゆる『ハフト』と呼ばれる種族だからである。
潜在的に魔力量が高く、生まれながらにして召喚術の才能に長けた存在。
しかしその生まれながらのメリットはデメリットも含んでいた。
妬みもあるのだろう、彼女等は人々から忌み嫌われる存在となってしまったのだ。
『自然の摂理から外れた人類』として見られる。意識は無くとも人々は彼女等を避けていた。
しかし。このグループでは違う。
その理由は至極単純。一番能力が低いのがリエム。それだけである。
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