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エリスとリエム。
お互いに相反する扉の鍵を持つ存在である。
「で、エリスちゃんは隠し通すつもりなのかな?」
ヴァネッサがニヤニヤと笑いながらエリスに話しかける。
「まさか召喚できるのがそれだけ……なんてこと無いでしょ?
召喚士ならわかる、その異常な魔力圧。そうそう隠し通せるものじゃないわよ?」
両手を広げ、大袈裟におどけてみせた。
「ま、でも、二人ともまだまともでよかったわ。ただ魔力量が尋常じゃないだけでね」
ヴァネッサはニコリと笑った。
「私みたいな異端児そうそういるもんじゃないし」
「それってどういう……」
リエムの言葉をさえぎり、ヴァネッサは両手を広げる。
白と黒の光子が表れ、お互いに形を為す。そこにあったのは、白い書と黒い書。
「ま、こういうわけよ」
召喚士にしか分からぬ驚きがそこにはあった。
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