4 強くなるために

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エリスとリエム。 お互いに相反する扉の鍵を持つ存在である。 「で、エリスちゃんは隠し通すつもりなのかな?」 ヴァネッサがニヤニヤと笑いながらエリスに話しかける。 「まさか召喚できるのがそれだけ……なんてこと無いでしょ? 召喚士ならわかる、その異常な魔力圧。そうそう隠し通せるものじゃないわよ?」 両手を広げ、大袈裟におどけてみせた。 「ま、でも、二人ともまだまともでよかったわ。ただ魔力量が尋常じゃないだけでね」 ヴァネッサはニコリと笑った。 「私みたいな異端児そうそういるもんじゃないし」 「それってどういう……」 リエムの言葉をさえぎり、ヴァネッサは両手を広げる。 白と黒の光子が表れ、お互いに形を為す。そこにあったのは、白い書と黒い書。 「ま、こういうわけよ」 召喚士にしか分からぬ驚きがそこにはあった。
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