4 強くなるために

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彼女らはその後ちょっと雑談の後、宿舎へと戻ることになった。身長150㎝のエリスがトコトコと歩いていく。 「エリー! 私が転移魔法使うんだからアンタだけ先行っても仕方ないでしょうが!」 ため息ひとつに追いかけようとするヴァネッサをリエムが引き止めた。 後にしようとしたが、なにやら思いつめているようであった為、リエムを優先する。 「私はハフトです。人外の存在です。そんな私が一緒にいていいんでしょうか……」 「な~に言ってんの! アンタなんかより私やあの子のほうが化け物じみてるから気にしなくていいって! それに。アンタの周りの人間はそんな目でアンタを見てるかい?」 優しい目をしてリエムを見る。無言の優しさはリエムの心配を払い飛ばすのに十分だった。 自然に涙が零れ落ち、リエムはヴァネッサに抱きつく。 そのエメラルドグリーンの頭をヴァネッサはずっとなでていた。
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