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あなたを掴んで
離すもんか
思う日常でいつしか
あたしの歯形が食い込んでた
見て見ぬ振りしながら
あなたの涙に
存在の証明見いだしていた
揺らいで霞んで
消えそうなあなた
あの日みたいに優しく抱き締めたら
全て戻る気がしてね
―こっちにきて―
目合わせて言おうとしたら
聞こえた自分の声は
―あっちいって―
背中はもう見たくないのに
またあたしは黙るの?
―行かないで―
ようやく言えた時にはもう
あなたは静かに遠ざかった
伸ばした手は幻想だけを掴んで
あなたは静かに遠ざかった
あなただけを見ていたつもりが
あなただけが見えていなかったのかも
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