死ぬまでにしたいこと

22/22
13人が本棚に入れています
本棚に追加
/202ページ
そして、俺は死んだ… 死んだ…はずだった。 ボヤける視界の先に見えたのは、光 光の中に見えたのは天使 白衣の天使……と、思ったらただのユヤちゃんだった。 「お………よう、ユヤちゃん…」 「よう………じゃないですよ…。」 「ユヤちゃん…何泣いてんの。 俺は寝起きが悪いんだ…… 特にこんな目覚め方をするなんて、そりゃもう…サイテーな朝をむかえた気分だよ。」 「… ナースコールは !!!」 ユヤちゃんはボロボロと涙を流して、まだ意識の朦朧とした俺の肩を掴んだ… 「ナースコールは……患者さんと、私たちを繋ぐもの。 命を奪うものじゃないんですよっ!!」 「ユヤちゃん………」 ああそうなのか…気付かないうちにナースコールのボタンがどっかに当たって押されてたのか だからユヤちゃんがいるのか… まだ意識は朦朧としていて…頭が状況に追いついていなかった 「怖かったんですか…生きることも、死ぬことも。」 ユヤちゃんは俺の顔の上でボロボロ涙を落としてきた… 俺の顔に迷惑がかかるからやめてくれよ 「ああ……本当に死ぬ時はもっと怖いかな。」 「怖くていいんですよ……私たちが傍にいますから!!」 俺は少し星の王子様を意識して言ってみたのに…ユヤちゃんには通じなかったみたいだ 「そりゃダメさ、俺が最期に望んだのは消えることなんだから…。」 「そんなのダメです…!! 死ぬまでにたった一つ何か望むことがあるなら…それはもう決まっているじゃないですか……。」 「へえ……何」 「 生きて下さい 。」 俺の顔の上でボロボロと涙を流すユヤちゃんと目を見つめ合った… 「生きることを望んで下さい… たった一つ…それだけで十分です……。」 ああそっか… まだ死ねないよな ユヤちゃんにパンツ…見せてもらってねーもんな
/202ページ

最初のコメントを投稿しよう!