クライマックスパンティ

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生きることを諦めた俺が…今更生きることを望み始めた。 よく止まる時計みたいだな 手動でリューズを巻かないと時間の止まる、俺が母さんから貰った手巻きネジの腕時計みたいだ。 “そう言えば母さん……どうしてんだろうな" 最近は連絡もとってないし、会ってもいない 俺が入院してるのも知らずに、恋人とイチャイチャしているんだろうか… て、母さんが悪いような言い方をするのはちげーな。 「聡~、ただいま~!」 物思いに耽っていると光太がひょっこり姿を現した 「起きてたんだね、ん?…何この絵。 聡が描いたの?」 「ああ、中が見えるように描いたから分かるだろ。」 光太は紙を近付けたり遠ざけたりして見て考えていた 「なんかこの生き物みたいなのが…どうしてもお尻に見えるんだよね」 「へえ…そりゃお前は変態だな。」 結局何なんだよと言って光太は笑った 「…あのさ、聡。」 「何だ?ゾウを丸飲みにしたボアの絵じゃねーぞ?」 「…え?それって、星の王子様ネタ? そうだね、その絵はゾウには見えないよ、お尻だよそれじゃ。 そうじゃなくてさ…」 光太の視線に気付かないわけがなかった 俺の顔より少し下を、ずっと見ている… 「何見てんだよ。 この首の痕はあれだ…砂漠で会った意地悪なヘビがさ、故郷の星に帰してくれるって言ってさ。」 「冗談で誤魔化したりしなくていいから…そういう強がりはいらないよ。 生きてて よかった ……。」 「何言ってんだよ光太!? お前、俺に迷惑かけられてばっかなんだぞ? 何が……生きててよかっただよ…」 「だってさ、そっちのほうが嬉しいから。 俺は、星の王子様みたいな終わり方…好きじゃないからさ。」
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