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―暗い部屋の中。
羽虫の唸るような低い音が響いている。
二部屋分のリビングを繋げた40畳ほどの部屋は酷く乱雑で、到底人の住む場所とは思えない荒れ様だ。
コンクリート打ちっ放しの壁は冷え冷えとしており、恐らく窓の在るであろう場所は板切れで塞がれ、神経質な程に目張りされている。
部屋の中央付近には、作業スペースだろうか?
他よりも比較的片付いたスペースがあり、島状に取り残されたスペースには、事務机が置かれている。
無愛想な事務机の上には、凡そこの部屋には似つかわしくない大型のモニターが据えられ、煌々と光を放つモニターの向かいには、何事かを呟きながらキーを叩く男の姿があった。
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