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「あたしには自慢だったの。傍に居られるだけで。あたしだけ…あたしは選ばれた…選ばれた…はずだったのに…」  少女の瞳は再び虚ろなものになり、ぽかんと呆けた様に、口を開けたまま黙ってしまう。  恐らくは、また記憶の中に迷い込んでしまったのだろう。  数時間前に始まった少女の告白は、終始この調子で、一向に先に進まないのだ。
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