ヒナ

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子育てに飽きられて 温かいだけの庭に 放置されたまま 忘れられた 骨と皮だけのヒナ 食べる物には 困らない環境だから 幾ら食べても 何一つ身に付かない 言葉を知らない ひ弱なケモノ 潜在的に 知識を欲す 飢えを凌ぎ 渇きに応えるには 一体どうすれば 虫の呼吸のように 囀(さえず)る呻き 頭が弱すぎるから 空いてばかりいる 満たすには やるしかない 羽のない前肢を広げ 闇雲にばたつかせ 白い柵に向かって 走りだす ヒナは自分すら よく分かっていない
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