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夫が亡くなったのは4年前。会社に行く途中に信号待ちをしていた所、居眠り運転のトラックに突っ込まれた事故だった。
病院に行くとまだ意識はあったが打ちどころが悪くいつ死んでもおかしくない状態だった。
次の日も次の日も状態は変わらず、段々喋れなくなり肌の色はどんどん土気色になっていった。
一歳の娘は大好きなパパを起こそうと必死で手を引っ張っている。
私は夫の手をにぎり毎日願った。(手が無くてもいい。足が無くてもいい。お願いだから私達をおいていかないで)
夫は『ごめんな…』と小さく呟き目をつぶった。目からは涙がひとつ、カサカサになった肌をつたっていった。
娘が生まれた時以来の涙だった。
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