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事故にあってから一週間が経ったが、夫の容態は変わらずだった。
子供の世話と夫の世話をしていて家と病院の往復の毎日に心身共に疲れていた。
(まだ一週間しか経っていないのに………)
ぼんやりとそんな事を考えながら病院に向かう。
疲れをみせまいと夫には気丈に振る舞った。娘がしたカワイイ悪戯、昨日見たテレビ。実際、忙しくてテレビを見る暇もあまりなかったのだけれど、少しでも…と夫に話してきかせた。
『…あなたがいないと寂しいわ』
我慢していたがついに、言ってしまった。両親を早くに亡くし、あまり家族の温かみに触れていない私にはこの家族が理想だった。夫が仕事から帰ってきて娘と遊んでいる姿を見るのが大好きだったし、娘が寝た後夫と二人でたまに飲むのも凄く楽しみだった。
私には『家族』がいきがいだった。
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