第二章 禍津日

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「俺の……存在が変質している?」 愕然と自らの体を凝視する。 自身に重なるように見える姿は……。 蒼い狼の神々しい蒼い光とは似ても似つかない、青黒い酷く濁った、炎の渦の様に見えた。 《今のお前は悪性そのものに、世界の歪みになりつつある》 クフルの言葉が脳裏を過ぎる。 「世界の敵……」 何故かその言葉を発した蒼い狼の、酷く哀しそうな碧い瞳を思い出した。
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