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目が覚めた時、自分が洞窟の中に居ることにガルンは気がついた。
鍾乳洞らしき空間は、何故か壁全体が鈍い緑の光りを放っている。
それが、付着した発光種の苔のおかげであるとは露とも思わない。
そのため洞窟内でもはっきりと目が利く。
「気がついた?」
視界の外から声がかかった。
声のトーンからガルンと似たような年の少女の声と分かる。
「誰だ……」
身体を起こそうとして、体が鉛のように重い事に気が付いた。
体の痛みは引いている。
だが、腕すら満足に動かせない。
真上から、金髪の少女の顔がひょこっと現れた。
コロコロした笑顔の上に赤い瞳が良く栄える。
「丸二日寝っぱなしだったからね。体の傷は驚異的に快復したみたいだけど、体力は回復してないでしょ?」
「……?」
目の前に現れた、屈託のない笑顔の少女に戸惑いを覚える。
「ハイハイは~い」
と、言いながら少女はガルンの上体を手で起こした。
「私はカナン、カナン・パルフィスコー。気軽にカナンって呼んでね!」
「……俺はガルン、ガルン・ヴァーミリオン」
太陽のような元気少女を、目をぱちくりさせながら見る。
この地方では見慣れない、巫女装束のような衣裳を身に纏っていた。
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