旅立ち

6/10
前へ
/61ページ
次へ
冬の朝は凍えるほど寒い。 カナコは毛布をかぶって丸くなっていた。 車内でもエンジンをかけていなければ凍え死ぬ。 翠は何もかけずに寝ている。 カナコはまだ寝ぼけていたが、翠が心配になった。 かーっ…zzZ 盛大にいびきをかいていた。 カナコは握りこぶしをつくり……翠の腹部に、降り下ろした。 翠『ぶはっ!!ごほっえほっ!おま、殺す気か!』 カナコ『おー、生きてる。』 翠『おー、じゃねぇ!』 翠『急に元気になりやがって…。』 カナコは病院を出てから実に生き生きしている。 いや、翠に出逢ってからだろう。 翠『さて、当面の目的は南に向かいタンポポの丘を探すことだが…』 翠『他にみたいものあるか?』 カナコ『別に。』 翠『カナコ、海見たことあるか?』 カナコ『テレビでしかない。』 翠『じゃ、行くか!』
/61ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加