始まり

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カナコ『もう少し寝ようかな。』 特にすることのないカナコは再び眠りにつくことにした。 この【白い部屋】とは、未来の期待がないに等しい者たちが生活する場所。 つまり、死をただ待つ部屋…。 病院によって管理されてはいるものの、ただ無の世界。 患者に知らされることのないルールがある。 "決して患者に感情移入してはならない" これは、患者がこの世に未練をのこさないように破られることのないルール。 だから斎藤たちも必要以上に干渉はしなかった。 全て決まった台詞、決まった行動…。 しかしカナコは不思議に思わなかった。それが普通になっていたから…。 今やカナコは日々をただ消化するのみ。 始めから白い部屋にいるわけではない、カナコにもまだ生きる力があった時もある。 そう、まだ小学生の頃…。
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