始まり

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物音がした方に行ってみると。 ガサッ。ゴソッ。 カナコ『だ、だれ?』 そこにいるのは父でも母でもない。 男が1人、部屋を物色していた。 男『ちょっ。なんで人がいるっ!今の時間は誰もいないはずなのに!』 どうやらこの男、相当下調べをしているらしい。 見たところ、男はまだ二十歳前後だろう。背は高いが細い。 カナコ『何をしている、は愚問か。』 ふっと鼻で笑い、あくまでも冷静だった。 ここで殺されても別にいい、そういう考えなのだ。 男『そうさ。俺は泥棒をしている。だが、見つかっちまったらしょうがない。』 男『警察に連絡しろい!逃げも隠れもしないぜ!』 潔いというかバカなのか。 カナコ『じゃあ、私の言うことをきくか?』 カナコはこの男を利用することにしたのだ。
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