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「ちなみに訊くけど──その生徒会長さんの名前は?」
訊くまでもないけど、一応訊いてみた。
「よくぞ訊いてくれました!その生徒会長の名前は小西幸人っていうんだよ」
やっぱ、そうやんね。
「そ、れ、で、さ」
幸にぃの名前を告げた後、すっごいにやにやした顔でその子は……って、あれ?
その子だけじゃなくて、クラス中の人達がウチに注目している。
「その小西幸人先輩には妹がいるって噂があるんだけどさ~。梓ちゃんの名字も小西っていうことに、何か関係があったりするのかな?」
この質問でウチは思い知った。
クラス中の人がこんなに興味を持つなんて、幸にぃって、実はすごい人だったんだって。
「んんっと……それはね~」
やっと、今朝幸にぃが言ってたことの意味がわかった。
幸にぃと同じ道を歩むか。
平穏な学園生活を送るか。
そんなん、答えは決まってる。
ウチだって、幸にぃの妹だもん。
楽しいことは大好きだから。
それに、ウチは……私は見てみたい。
幸にぃがあれだけ努力した結果、幸にぃが得たもの。
小西幸人が夏目涼と共に作り上げたものを、幸にぃと同じ目線から見てみたい。
そうすればきっとわかると思うから。
私なりの、伝説の作り方が。
Fin.
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