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周りの疑わしげな視線は気にしない。
俺は決めたんだ。
次こそは必ず夏目に勝つと。
「ま、幸人の言うことも確かだし、さっさと仕事を進めよう。明日から学園祭の準備期間に入るから忙しくなるよ」
と場をまとめてくださったのは偉大なる副会長様こと吉川だ。
俺達は、来る学園祭のため作業を続けた。
───────
夏目が階段を駆け降り、下駄箱で息を整えてから校舎の外に出た頃には、もう花火の音は止んでいた。
(会長さん、ちゃんと花火片付けてくれたかな~?)
なんて無責任なことを思いながら校門まで歩いて行く途中、前方で見知った顔が手を振っているのを見つけた。
クラスの友達だ。
二人もちょうど今下校するところらしい。
夏目は二人の元へ駆け寄り、声をかける。
「やっほ~。どうだった?真昼の花火大会500連発!」
「おつかれさま~。いや~笑ったよ。まさかいきなり花火大会始まるなんて思わなかったからさ~。昼間じゃ見えないっての!」
「毎度毎度よくやるよねー。今日はいつになく会長さんが不憫だったよ。ありゃいつか復讐されるね」
「ヘーキヘーキ、これは私と会長さんの真剣勝負なんだから。負けても恨みっこ無しなのだよ!」
「真剣勝負ね~……涼が圧倒的に有利な気もするけどね~」
「いやいや、運も実力の内ってことで」
「運は関係ないじゃん!?」
そんな風に話しながら三人で通学路を歩く。
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