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これは全部夏目の作戦だ。
夏目なら、ミスコン部に頼んで冷房の設定気温を変えさせることだって可能なはず。
このミスコンで一気に勝ちを狙っていたのは夏目も同じだったってことだ。
しかも、奴の方が一枚上手だった。
くそっ!これの後にアイスの宣伝をやるなんて空気的に厳しすぎる。
ちっ……だが、やるしかないか。
俺の持つ演説テクを全て発揮し、この絶望的な状況を変えてやる!
──────────
『それでは、売り上げランキングの結果を発表します──』
時は流れ、今は学園祭閉会式。
疲れとか、先に結果を知ってしまったネタバレ感とかで極限までテンションを落としつつ、俺は生徒会長として講堂の全校生徒の前で結果を発表した。
まぁ、集計するのは生徒会だからしょうがないんだが。
結果だけ言うと、俺達は負けた。
四時を過ぎてから気温は俺の予想以上に下がり、アイスの売れ行きはぷっつり途絶えた。
俺が生徒会長として磨き上げた演説テクも、気温と夏目の支持率には敵わなかったようだ。
とうとう端山祭は幕を閉じ、俺達の闘いは夏目の勝利として終わった。
そして、今年の端山祭では三つの伝説が生まれた。
①ハヤ丸君の三人同時秒殺。
②高等部二年六組が端山祭史上最高売り上げを記録した。
③戸西小雪のミスコン優勝。
そう。俺の演説テクは、クラス優勝ではなく、ミスコン優勝を成し遂げてしまったのだ。
……あまり嬉しくない。
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