学園のアイドル

11/11
14606人が本棚に入れています
本棚に追加
/226ページ
  「それにしても涼、二年になってからはやたらとハイペースで何かやるね?」 「あ、それアタシも思った!前はたま~に何か思い付いたらやっちゃうって感じだったのに、今年になってからは何かやる回数がやたら多いよね?週一くらいでやってるんじゃない?今日だって新学期早々だったし」 「え?あ~、ハイペースね~……そ、そうかな~?」 わざとらしく惚ける夏目に、友人二人はニヤニヤと笑う。 「やっぱりあの噂は本当なのかな?」 「ふぇ?噂って?」 夏目には心当たりが多すぎる。 さすがに自分は学園でもかなりの有名人だという自覚はある。 自分に関する噂なんていくらでもあるだろう。 「あの会長とやりあってる間にだんだんと気持ちが傾いていって……今じゃ会長の気を惹くために騒ぎを起こしてるって噂!」 二人はからかうように騒ぎ立てる。 「そんなんじゃないよ~」 と、夏目は手を振って否定する。 「最近はいろいろ思い付いちゃうからしょうがないの!思い付いたら即実行は私の信条ですから」 深い意味は無い。 気を惹こうなんて作戦じゃない。 ただ楽しいからやる。 相手が手強ければ、勿論その楽しさは大きい。 今の夏目は、ただそれだけなのだ。
/226ページ

最初のコメントを投稿しよう!