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「それが俺の本気なんだよ。あいつには普通の方法じゃ勝てないからな」
「校則の範囲内で勝負するんじゃなかったのか?屋上に出るのは明らかな校則違反だろ?」
「あれは公務だ。違反にはならない。その為に屋上の鍵も放送室の鍵も俺が保管してるんだぞ?」
「その鍵は簡単に盗られたけどな~」
「…………」
「お前、かわいい奴だな」
「なっ……!?」
「まぁとにかく。お前は夏目さんに勝っちまったんだ。これがどういうことか分かるか?」
「……やっぱり、俺が次のアイドルか?」
「心配すんな、それはない。
幸人、お前は大多数の生徒からは『お堅い生徒会長』として認識されてる。しかも学園のアイドル夏目さんの敵なんだからイメージは最悪だ。それなのに何故、そんなお前が今まで好印象だったと思う?」
「やっぱ顔がいいからか?」
「それはな、お前が夏目さんに勝てなかったからさ。今までのお前の噛ませ犬っぷりは夏目さんの引き立て役でしかなかったからな」
「スルーすんなよ」
「それがとうとう本当に夏目さんの敵になったんだ。もう夏目さんのファンが黙ってないと思う。特に男が」
「つまり何が言いたいんだ?」
「ま、背中には気をつけろってこと」
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