学園のアイドル

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  「真っ昼間に屋上で花火なんかすんな!屋上は立ち入り禁止だ!それと学校での火薬の使用も禁止!以上の理由で貴様を生徒会室へ連行する。この俺が反省文という名の鉄槌をくれてやる!」 「もーう!いつもいつもいっつも、いいとこで邪魔するんだからぁ~!でも、これだけはなんとしても成し遂げる!!」 と、夏目はスカートのポケットから鍵を取り出した。 多分屋上の鍵だろう。 「そーりゃっ!」 響きの良い掛け声と共に、鍵は天高く放り投げられた。 「なっ……!」 このままの軌道ではギリギリで下に落ちる! 学校の備品を無くすわけにはいかん! 俺は思わず駆け出し、咄嗟の判断でフェンスをよじ登り、身を乗りだして手を伸ばす。 く……結構遠い!? 「届けぇーーー!!!!」 ──パシッ 奇跡的に、鍵は俺の手の中に収まっていた。 俺……できる子! 「ナイスキャッチ!さすがだね~会長さん!それでは、またいつか会いましょ~」 その声に振り向くと、夏目は憎らしい程の明るい笑顔で手を振り、階段を駆け降りて行った。 俺は鍵を握りしめ、呆然と立ち尽くす。 「またやられたか……」 周りを見渡すと、いつの間にか残っていた花火すべてに火がつけられていた。 一度火をつけた20連発は止まらない。 俺はのこり数百発の花火を、ただ見守るしかなかった。 今すぐ水を汲んで来てぶっかければ止められるが、そんな無粋な真似はしない。 今日は奴の勝ちだ。 また一つ、伝説が生まれてしまった。
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