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何をおっしゃるのでしょう、この司会者は。
ハヤ丸君はキツネよ?
生徒会長と同等のスペックっていっても、生徒会長人間よ?
それが蒸し暑三頭身フォックスーツで走って跳んでキャッチしてとかできるわけないだろ。
『確か、ハヤ丸君はどんな仕事でも手伝ってくれるんですよね?』
……そうですとも。
わかってますよ。
これも端山祭を盛り上げるためなんだろ?
なら、生徒会長であり今は学園のマスコットである俺には、拒否なんて選択肢はない。
ここはひとつ、ハヤ丸君こそ真のマスコットだというところを見せてやろう。
親指を突き出し、自分の胸を指し、参加の意思を表明して前へ出る。
『ルールはPKのような感じです。エンペラーくんとハヤ丸君が交互にキャッチに挑戦し、成功し続けた方の勝ちです』
えっと……あれ?
そのルールじゃ俺が圧倒的に不利な気がするんだが。
だって、エンペラーくんがフリスビーキャッチ失敗するとことか想像できんし、俺はできるかどうかもわからんし。
「いっけーエンペラーくん!」
そんな俺の困惑を他所に、エンペラーくんのフリスビーキャッチが始まった。
まぁ、夏目との勝負だっていつも勝ち目の無いもんだしな。
じきに来るあいつとの勝負もこんなもんだと思えば、どんな逆境だろうと諦めるわけにはいかないな。
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