14607人が本棚に入れています
本棚に追加
「吉川!お前生きてたのか!?」
「あんな死に方してたまるかよ!いやまぁ、野々村が俺目掛けて吹っ飛んで来た時はマジで死ぬかと思ったけどさ……つーか幸人、お前わざとやったろ?」
首謀者のくせに一人だけ座ってデタラメなこと喋ってんのがむかついたんだよ。
「んなことより、何しに来たんだよ吉川?」
「何しにってなぁ、幸人には少し悪いことしたなぁと思って様子見に来たんじゃないか。それがなんだよ、保健室で学園のアイドルと逢い引きですか?風紀を律す立場にある生徒会長がそんな不純でいいんですかぁ?」
「あ……逢い引きなんてそんな!たまたま会っただけだから!私たちそんなんじゃないから!」
さっきまで顔を伏せて沈んでいた夏目が急に顔を真っ赤にして力一杯否定し出した。
軽く凹むんですが……。
「夏目、焦りすぎだ。少し落ち着け。んで吉川、心配ないってどういうことなんだ?」
吉川はニヤッと笑い、眼鏡のフレームを押し上げる。
「ああ、そう。心配いらないよ夏目さん。幸人が嫌がらせされることはもうないと思うから」
夏目が不思議そうに俺と吉川を交互に見る。
もちろん、俺も不思議だ。
「どういうことだ?ハヤ丸君としての活動が評価されて好感度が一気に上昇したのか?」
ハヤ丸君と俺が別人ってのはもうどうでもいいや。なんかもうめんどくさくなってきた。
「まぁ、そんなとこだな」
マジで?冗談で言ったつもりなんだが、まさかの正解?
「さっきのプロレスだよ。生徒会長様は新たな伝説を打ち立てたんだ」
吉川は説明し始めた。
最初のコメントを投稿しよう!