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「会長おつかれ!」
「新学期早々やってくれるね~」
「次のバトルも楽しみにしてるよ!」
花火を片付けて階段を降りると、騒ぎを聞き付けて集まったらしい野次馬共に出迎えられた。
てか、見てたんなら片付けんの手伝えよ。
「はいは~い、部活の無い人はとっとと帰れ~。ほれ、散った散った」
野次馬を適当に散らせてから花火を処分し、俺は生徒会室へと戻った。
今月は学園祭があり、来月は体育祭がある。
故に今生徒会は忙しい。
始業式の午後も残らなければならないほどだ。
それを知らないわけでもないだろうに、あの女は遠慮なく俺を屋上まで呼びつけてくれたわけだ。
「悪いな、抜け出して」
他の生徒会メンバーに謝りつつ、生徒会長の特等席に着席する。
「会長さんも新学期早々大変だねぇ」
「今度は屋上で花火500連発か。さすが夏目さんだなー」
「今んとこ小西の全敗だよね?」
「しょうがないよ、夏目さんには誰も敵わないんだから」
「会長やられっぱなしじゃん。ダッセー」
言いたい放題言ってくれる。
本当にこいつら生徒会か?
俺に味方はいないのか?
くそ、さすがにこのままでは生徒会長としての面目が……
そろそろ、やってやるか。
──バンッ!!
机を叩いて立ち上がり、俺をダッセー呼ばわりした矢野に指を差す。
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