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終了したといってもまだ端山祭はもう一日あるわけで、後片付けをする必要はなく、ほとんどの生徒は解散し、二日目から活動をする生徒などは残って作業をしている。
当然俺達生徒会もさっさと帰るわけにはいかず、たった六人で各模擬店の売り上げ集計やら一般客の入場者数の集計やらめんどくさい仕事をこなし、今は明日の最終集計やら結果発表やら後夜祭やらの打ち合わせをしているところだ。
ところなんだが…
「一瞬の内にだぜ!?気が付いたら吹っ飛んでてさ。あれがデコピンだなんて未だに信じらんねぇよ」
「俺なんて触られただけで吹っ飛ばされたんだよ!?矢野が吹っ飛んだと思ったらいつの間にか俺もリングの外でさ」
「んで、野々村が俺の座ってた実況席にまで飛んで来たってわけだね。ありゃマジで死ぬかと思った」
「ハヤ丸君はやっぱり強いんだねぇ」
「それでそれで!?山崎はどうやって倒したの!?」
「いや、俺ら三人はみんなそんな状態だったからよ~。起き上がった時にはなんか山崎が前のめりに倒れてて…」
「いつの間にかコーナー・ポストに立ってたハヤ丸君がボディプレスで決めたんだ!」
「甘いな、野々村。あれはただのボディプレスじゃない。あれこそハヤ丸君必殺の『ハヤ丸サタデータイムボンバー君』だ!」
サタデータイム……確かに今日は土曜だが。
いや……というかあれただのボディプレスだし。
俺以外全員お喋りに夢中で、打ち合わせは進みやしない。まぁ、どうせ事前に決めてあることの確認だから実際そんなに必要じゃないけどな。
けど、もう日が落ちかけてしまっている。
俺としてはさっさと帰って体力を温存したいところなんだが。
ここは生徒会のリーダーとしてガツンと言ってやる。
「そんな話はどうでもいいだろうが!とっとと終わらせて帰るぞ。俺は激しく疲れてんだよ」
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