学園祭の闘い

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九月七日日曜日。 毎年高い確率で雨が降り、酷い時には台風まで来るような時期なのだが、今年は幸いにも晴天が続いている。 晴れ男とか、そんな神レベルの体質をも超越したカリスマ性がこの俺にあるのだろう。 ……と、それはさすがに自意識過剰か。 まぁ、なんだかんだでが運良く晴天の中で二日間の学園祭を迎えられるわけで、天に感謝して祭りを楽しまなきゃバチが当たるな。 そんな、お祭りでうかれまくりな気持ちを胸に秘めつつ、今日も元気に朝七時登校を成し遂げた。 が、校門に入るや否や、俺は問題をひとつ発見した。 「やってくれたな…」 呆然と校舎を見上げ、そんな独り言をもらした。 校舎の正面、最も目立つ位置に、屋上から馬鹿でかい垂れ幕が下がっているのだ。 『高等部二年六組 手作りおにぎり屋 絶対勝利宣言!!』 売り上げ競争において、宣伝は勝利条件の一つだ。 まずは店の存在を知ってもらえなければ人が来ることもないからな。 まぁ、夏目の手作りおにぎりってだけで繁盛しないはずはないんだが… ただでさえ昨日の集計ではぶっちぎりで売り上げ一位のクラスなのに、こんな誰にでも目につく場所に広告されたら、「おにぎりか、昼飯にでも食べようかな」とか思ってしまうではないか。 あーほら、梅おにぎりのことを思い浮かべるだけでこんなにも唾液が。 止めようのない食欲との闘いに没頭し校門前に突っ立っていると、背後からの足音に気が付いた。 「小西……何やってんの?」 俺が振り向くよりも早く、生徒会会計の田中さんが不審そうに声をかけて来た。
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