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魅入られてしまったら
決して逃れる事は出来ない…
悪魔の誘惑に
『ぁっはぁぁっ…』
『…おいで』
首に腕を絡ませ抱き着く
『あぁっーぅっ』
『良い子…』
『もっと啼いて誘ってみてごらん?』
『ぁぁっ…やぁっ』
紅い月の夜
悪魔は突然現れた
紅い瞳、金色の髪、
漆黒の翼、
黒いマントを翻し
彼は僕に近づいた
『良い瞳をしてる』
顎に手をかけ上を向かせる
『な、何すんねん』
腕の中で暴れるが
力強い腕から
逃れる事は出来ない
『無駄だよ』
『君は私が捕まえた』
『離せっ』
『もう…逃がさない』
僕を抱き上げ空を舞う悪魔
『離せやっ』
『今、離したら死ぬよ?』
下をみた瞬間
目に広がるのは街の景色
『なっ…』
『死にたくないだろ?』
『っ……』
何も言えなくなる
数時間空を飛び続け
男が口を開く
『着いた』
そこは誰も居ない森の中
『な、何する気や』
悪魔は男を降ろし
首筋に口づける
『美味しそう』
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