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「待ってください!何故ですか!」
低く、甘い男の声が悲痛に叫ぶ。
両手は戒められ傍らには先刻まで部下だった二人がいる。
片方の男は金の髪に灰色の瞳でただ無言で戒められた男――ルシフェルを見つめており何も言わない。
片方の娘は亜麻色の髪に青の瞳で涙ながらにルシフェルを見つめていた。
「それが我が神の意志です、観念なさいルシフェル。」
「ふざけるなガブリエル!」
堅い語調、見た目通りの男…ガブリエルにルシフェルは叫ぶ。それは大理石でできた廊下にいやに響いた。
「でも私たちは神の意志を伝えるための存在なのです。ルシフェル様、ごめんなさい…なのです。」
「ウリエル…」
ウリエルは泣いていた。
確かにルシフェルも含め神にはあらがえないのである。
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