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(……暗い…ここは……私は……?)
記憶が曖昧だ。
自分が居る場所は闇だ。上下左右…足をついているのかすら曖昧な空間。
自分は――そうだ、ルシフェルだ。
天使長ルシフェル。
この天界にて神の次に立つ権力者で訳も分からず拘束されて。
たしかここは神判の間である。
“…ルシフェル。”
声とも言えぬ声。脳天に響く囁声。
「我が神よ…」
“…ルシフェル、おまえは禁忌を犯した。おまえを人間界に追放する”
「?!、何故…何故ですかっ…我が神!」
“ルシフェル、おまえは天使長という身分にありながら闇に属する者と契約を行使した。本来その罪状は重く万死に値する”
そこでルシフェルは勘づいた。
ハメられた…ガブリエルの策略に。
“あの時”ガブリエルに唆され、確かにルシフェルは契約をした。
「しかしあれは――」
ルシフェルの言葉は脳天に響く声に遮られる。
“黙りなさい、ルシフェル。私もあなたの膨大な力は惜しい―――”
“――だからこその措置なのです”
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